大石芳野 『夜と霧は今』 アウシュビッツ強制収容所
- 2020/07/30
- 14:33
囚人の髪の毛で作った毛布。
主に女性が入れられていた収容所。
蚕棚式に三段ベッドが並び、600人から1200人が収容されていた木造バラック。
囚人用のトイレ(左)。人間の尊厳が失われた、極限の生活だっただろう。
黒々と書かれた「働けば自由になる」の門をくぐって、囚われの身になる。有刺鉄線の至る所に「近寄ると危険」の文字と骸骨絵の看板が立っていた。
シャワー室では、「生」に区分された人が消毒され、死に区分された人は、黒い戸を開けて、毒ガス室へと送り込まれた。
毒ガス室の壁は、チクロンBが付着して化学変化を起こし、不気味に変色していた。
囚人の脂肪で作られたという石けん。フェノール液の注射器。ナチスの医師は、これを囚人の心臓に突き刺して、殺害した。
アウシュビッツを生き延びた人。
孫娘。子孫を残せた貴重なユダヤ人。「大人になったら、社会で役立つ人になりたい。例えば、看護師のように」。
この写真集には、思い入れがある。大石芳野のアシスタントだった男性と親しくしていたのだが、数寄屋橋の交差点で、「アフリカの緑色の月が見てみたいですね」と話していた。
しばらくして、タイを新婚旅行中、交通事故に遭い、亡くなった。花嫁は生還。気も狂わんばかりだっただろう。
主に女性が入れられていた収容所。
蚕棚式に三段ベッドが並び、600人から1200人が収容されていた木造バラック。
囚人用のトイレ(左)。人間の尊厳が失われた、極限の生活だっただろう。
黒々と書かれた「働けば自由になる」の門をくぐって、囚われの身になる。有刺鉄線の至る所に「近寄ると危険」の文字と骸骨絵の看板が立っていた。
シャワー室では、「生」に区分された人が消毒され、死に区分された人は、黒い戸を開けて、毒ガス室へと送り込まれた。
毒ガス室の壁は、チクロンBが付着して化学変化を起こし、不気味に変色していた。
囚人の脂肪で作られたという石けん。フェノール液の注射器。ナチスの医師は、これを囚人の心臓に突き刺して、殺害した。
アウシュビッツを生き延びた人。
孫娘。子孫を残せた貴重なユダヤ人。「大人になったら、社会で役立つ人になりたい。例えば、看護師のように」。
この写真集には、思い入れがある。大石芳野のアシスタントだった男性と親しくしていたのだが、数寄屋橋の交差点で、「アフリカの緑色の月が見てみたいですね」と話していた。
しばらくして、タイを新婚旅行中、交通事故に遭い、亡くなった。花嫁は生還。気も狂わんばかりだっただろう。